青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア2』あらすじとネタバレ感想

青崎有吾さんの「ノッキンオン・ロックドドア2」のあらすじと感想をまとめました。

学生時代同じ研究室にいた4人の間で何か事件が起き決別した(倒理、氷雨→探偵、穿地→刑事、美影→犯罪仕掛け人)ようなことが「1」で匂わされていましたが、最後にその真相が明らかになった1冊でした。

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「ノッキンオン・ロックドドア2」書籍概要

HOW=不可能な謎専門の御殿場倒理。WHY=不可解な謎専門の片無氷雨。密室事件と思いきや壁には巨大な穴が開けられていた。犯人の目的とは?(「穴の開いた密室」)トンネルに入った女子高生が忽然と姿を消した。彼女は一体どこへ?(「消える少女追う少女」)など全6篇収録。俺たちには、まだ解いていない不可能で不可解な謎がある。「BOOK」データベースより

  • ノッキンオン・ロックドドア2(2019年11月/徳間書店)

穴の開いた密室

閑古鳥の鳴く探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」に依頼人が来た。友人の家で遺体が見つかり警察も捜査を始めたが状況がおかしいので探偵に調査を依頼したいと言う。日曜大工好きな石住茂樹は離れに作業場を作り家具などを作っていた。近所に住む依頼に賀工具を借りに離れへ行ったところ呼び掛けても返事がなく、窓から覗いて遺体を見つけたと言う次第だった。離れへの出入りはドア一つだけ。窓ははめ殺しのため開閉はできない。ドアは施錠されており被害者のポケットから鍵が見つかった。不可能犯罪専門の御殿場倒理が密室殺人は自分の領分だと張り切る中、依頼人は密室ではなかったと言う。離れの裏の壁には大きな穴が開いていたのだ。

現地に到着した倒理と氷雨は、捜査中の穿地たちと出会い部屋を見せてもらうことになった。壁は離れにあったチェーンソーを使い、縦170センチ横200センチはあるかという巨大な穴を楕円形に開けられていた。

遺体はDIY中と思われる足が傾いているテーブルの上にあおむけに載せられ部屋の中心に置かれていた。首に突き刺さったプラスドライバーが致命傷と思われるが顔や服に格闘のあとが見受けられる。唯一の出入口のドアの内側にはペンキがぶちまけられており、人の出入りがあれば痕跡が残るはずだが見つかっていない。倒理がペンキは犯人の偽装だと見抜き、氷雨がラベルもなく元々ペンキ用ではない容器にペンキが入っていたと知っている人物は家族しかいないと見抜き容疑が石住の家族4人に絞られた。石住家には妻と娘のほか、弟とその息子(石住の甥)がいた。娘と甥はキッチンでテレビを見ており、妻は風邪気味で寝込んでいた。弟は滝を見に散歩へ行っていたというが写真などは撮っていないらしい。

一体誰が何のために石住を殺害し、壁に巨大な穴を開けたのか。4人から事件当時の話を聞いた倒理と氷雨は、穴が大きすぎることに着目し犯人に行き着いた。

 

確かに壁に穴を開けないとどうしようもない事件でした。

時計にまつわるいくつかの噓

ぬいぐるみの修理をしている奥森涙という女性が、住んでいるアパートの近くの公園で遺体で発見された。夜道で襲われたらしく首を絞められたあとがあった。容疑者は3人組のインディーズバンドのギターボーカル・塚越大悟。涙の恋人だが最近口論が絶えず、居酒屋で大喧嘩をしていたという証言もある。また現場から塚越のネックレスが見つかった。話を持ち込んできた仲介屋の神保によると、涙は一度時間を設定したら誤差を自動修正し死ぬまで絶対に狂わないという高性能の腕時計を腕に付けており、その時計が7時40分で壊れて止まっていた。ちょうどその時間帯、塚越はライブ中で完璧なアリバイがあった。

塚越に話を聞きに行くと涙とは2年前から付き合っているらしく、現場で見つかったネックレスは無くしていたものを見つけた涙が塚越に届けようとして外出したところを襲われたのだと言う。涙と一緒に撮った写真を見せて貰っているうち涙が左利きなことに気が付いた。腕時計は右手に付けられている。塚越によると2・3か月前に時計を新しくしたことは聞いたが、ここ最近はつけていなかったかもしれないらしい。周囲に聞いた塚越と涙の関係は、喧嘩といっても痴話げんかの域を出ないものだった。

涙の勤務先のぬいぐるみ修理工房の社長・水木に話を聞きに行く。事件当時の涙は残業をして18時半頃に会社を出た。水木はその後も20時過ぎまで業者と打ち合わせをしていた。涙が購入して置いたというコルクボードには十数枚の写真がピンで留められていた。その中には買った柏餅と一緒に映っている涙の写真もあり、裏ピースをしている右手首には例の時計をはめているらしく白い革バンドが見えた。ほんの2~3週間前の写真だ。その後穿地経由の裏の手で証拠品の時計を見ることに成功した倒理と氷雨は、時計の裏側に細かい傷がついているのに気付く。涙のバッグの中からキーホルダーのついた鍵を見つけた倒理は、時計の謎が解けた、時計は事件当夜に壊れたのではなくもっと前、一か月以上前から止まっていたと勝ち誇った。

だがその後、柏餅の写真をヒントに氷雨が事件の真相に気づき、涙を殺した犯人の元へといった。

 

今回の事件で焼き肉を掛け氷雨のおごりになるはずだったのですが、その最中に真実に気づいた氷雨によって割り勘になったようです。

穿地警部補、事件です

参事官の姪である穿地はなるべくして刑事になった。警備局長の友人の死に関しマスコミを騒がせないようにと釘を刺されつつ現場に向かう。被害者は武藤勢一、52歳。元新聞記者で現在はベイサイド・ジャーナルというニュースサイトの代表を務めている。武藤は7階にある自宅マンションの705号室のベランダから転落死した。ベランダには小さなテーブルがあり、緑色のゴールデンバットと青のハイライトの2箱と吸殻の入った灰皿があった。どちらも20本入りでゴールデンバットは空、ハイライトは2本減っていた。部屋はオートロック式ではない通常のもので鍵は掛かっており、財布や手帳と一緒に部屋のテーブルの下から見つかった。またベランダの窓は開けっぱなし、当日武藤が酔っ払って帰ってきたことから事故死も考えられた。だが穿地はライターが見つからないことから、参事官たちの意向に従わず武藤の死を不審死として捜査を始めた。

武藤はゴールデンバッドを好んでいたらしく、死亡する前に近所のコンビニに購入に行ったものの売り切れを知り、あと2本しか残っていないとぼやきながらハイライトを買っていった。また武藤は記者時代は警察の不祥事などについて忖度するような記事ばかり書いていたが、痴漢記事が受けたのを機に路線変更をしジェンダーやパワハラ問題に舵を切っていた。

穿地らは事件当夜、離れた建物から武藤のマンションを眺めていたという目撃者に話を聞きに行く。ケアハウスの目撃者のベランダからはかろうじて武藤の住む7階が見えることを穿地は確認した。車いす生活の目撃者は、11時40分頃、髪の長い女性がベランダから身を乗り出すようにしていたのを見たと証言した。武藤の死亡推定時刻は11時30分。微妙に時間がズレるが鍵が掛かっていた武藤の部屋に女性がいたという証言を持ち、穿地はノッキンオン・ロックドドアへ向かった。

1週間依頼がないという倒理と氷雨は20年位前に発売されたゲームで熱血対戦中だったが、穿地の話を聞いた途端上の階の805号室の住人が犯人だと同時に指摘した。氷雨は目撃者の証言から、倒理は705号室に鍵が掛かっていたことからトリックを考え、それぞれ同じ犯人に行き着いた。805号室には湖山小百合という女性が住んでおり、ベイサイド・ジャーナルに勤めていた過去があることが分かる。小百合は武藤から度々セクハラやパワハラを受けており、襲われた際も警察に届けたが捜査が打ち切られていた。おそらく武藤が警察幹部らと繋がっていたため事件がもみ消されていたに違いなかった。事件の日、偶然武藤と鉢合わせた小百合は武藤の部屋に上がったあと衝動的にベランダから突き落として殺し、倒理の解いたトリックで鍵をかけたことを告白した。ライターは指紋がついたので持ち去ったという。

小百合の逮捕で事件は解決したものの腑に落ちない穿地は改めて武藤の部屋へ向かった。ベランダに残されていたある不自然な状況に気が付くとそこから推理を展開し、小百合の嘘と事件の真相に至った。

 

小百合にとって5年間憎み続けた武藤は、自分が犯人になってでも殺されなければならない人物でした。事件の原因を作ったのは紛れもなく武藤自身ですが、心からの悪党ではなかったようです。

消える少女追う少女

倒理と氷雨が新しく手に入れた車で運転中に飛び出してきた高校2年生の高橋優花はノッキンオン・ロックドドアに行く途中だった。友人の潮路岬がトンネルの中で消えてしまったので探してほしいという依頼だった。優花と岬は違う高校に通っているが中学の時に同じ塾で意気投合して以来の友人で、LINEに既読がつかないし電話もメールもダメ、寮にもいないし実家にも帰っていないという。2日前の夕方、優花は駅近くのトンネルで岬をみかけた。線路を横断するための地下通路で、線路の向こう側にいる岬が先に気づいて優花に声を掛けた。今そっちに行くからというようなジェスチャーのあと岬はトンネルへと入っていった。だが5分経っても姿を見せない。怪しんだ優花がトンネルに入っていくと岬の姿はどこにもなかった。それ以来岬との連絡が途絶えたという。岬はその時スイミングクラブの帰りで制服にスポーツバッグを持っていた。

翌日2人は岬の通う高校で聞き込みを始めた。同級生と思われる子達からはごく普通の子という証言が多数で担任もいじめなどはないという。学生寮では岬と同室という後輩の真琴に話を聞き、岬が失踪する日の朝、真琴にしばらく帰らないつもりと伝えていたことを知る。岬は自分の意志で姿を消したのだ。トンネル近くの和菓子屋に設置してあったカメラの映像を見せて貰えることになり、倒理と氷雨は岬らしき人物がトンネル内に入っていく姿を見つけた。だが10分経っても出ていく姿は映っていない。潮路岬は確かにトンネルで消えていた。

一体どういうトリックを使ったのか。2人は優花と連絡を取り途中経過を報告する。大多数の人間が抱いている岬は普通の子、あまり印象に残らないという報告を聞いた優花は誰も分かっていないと漏らした。報告会の最中にかかってきた真琴からの電話で、彼女の手引きで学生寮に潜入できることになった2人は、岬の服と日用品が消えていることに気づく。また机の上に置きっぱなしの眼鏡が、真琴がシャワーに行っている間に消えていたことから一度岬は寮に戻ってきたと分かった。

岬がトンネルで消えた謎だけがどうしても解けない。人探しのタイムリミットが迫っている倒理は、大学時代、倒理たちの指導教官だった教授・天川のところへと行く。事件の顛末を聞いた天川は、登場人物のなかで嘘をついている人間がいると言った。

 

天川教授のシャーロックホームズばりの名探偵ぶりがすごい話でした。事件自体はそれほど悪意のない他愛ないものでした。

最も間抜けな溺死体

エアコンが臨終を迎え、暑さにもだえ苦しんでいる倒理と氷雨の事務所に差出人が空白の荷物が届いた。最近TVにも出ている出光公輝というIT企業の社長が書いた1冊の著書だった。本にはメモが挟んであり短い英文の歌詞が書かれていた。そのタイミングで穿地から電話がかかってきた。出光が会員制のプールであまりにも間抜けな死に方をしたという内容だった。

網膜登録した会員とその招待客しか利用できないセレブ向けのレジャープールは、地上からビルの最上階まで直通のエレベーターで行き来する。更衣室とトイレ、プール、バーのほかは掃除道具などが入っている備品室しかない。ひょうたん型のプールには浮き輪やビーチボール、大きなアヒルのゴムボートが浮かんでいる。出光の遺体を発見したのは1階に住みプールの管理を一任されている矢沢。昨晩もいつも通り午前0時にプールの見回りを行ったところ、プールの水が空っぽになっていた。テレビ電話でオーナーに連絡を取り指示を仰いだところ、操作盤が排水になっていたことが分かった。プールを満水にするのに8時間かかるため、翌朝8時にプールを確認して連絡することになった矢沢は、エレベーターに「プール使用禁止」の張り紙を張り、翌朝プールへ向かい水の底に沈んでいる出光を発見し通報した。溺死だった。脳震盪を起こした形跡があり皮膚の状態から8時間ほど水に浸かっていたことが分かった。つまり水位の低いプールで溺れ死んだことになる。昨晩酔っ払った出光は張り紙に気づかずプールにやってくると、水の状態にも気づかないまま空っぽのプールに飛び込んだ。そのまま頭を打って気絶したところに徐々に水位が上がってきて溺死したと考えられた。自由にプールに出入りできるのは管理人の矢沢と7人の会員だけで、うち3人は海外におり残りも全員のアリバイが確認できた。事故か自殺に傾きそうなところ、氷雨は殺されたと思うと呟いた。

殺人の根拠は、出光の本と一緒に送られてきたチープ・トリックの英語の歌詞だった。倒理と氷雨、穿地の大学時代の仲間、犯罪プランナーの糸切美影が関わっている。2人は日本にいる3人の会員に会いに行った。映画プロデューサー、モデル、VRで躍進中の会社社長と錚々たる顔ぶれだった。一通り話を聞きプールに戻った2人は犯人について話し合うが、どちらも良いアイデアが浮かばない。犯人は確実に美影にトリックを発注しているはずだが、不可能犯罪専門の倒理にも解けないのだ。唯一美影に会える場所を知っている氷雨は、倒理に内緒で美影に会いに行くがこの日は会うことができなかった。

再びプールのあるビルへと戻った2人はモデルの玉城レイアが退会手続きに来たのと出くわす。死体が沈んでいたプールは気持ち悪いと言っていたので、別のプールを探すらしい。矢沢と事件当夜について話しをしていた倒理と氷雨は、矢沢が段ボールから出してきた空気入れようのボンベに釘付けになる。出が悪くなったので交換しようと思っていたところに事件が起きて忘れていたものらしい。何を調べればいいのか分かったと叫んだ倒理が、犯人にによる証拠隠滅を阻止するため管理人室を飛び出していった。

無事事件を解決し穿地とともにお茶を飲むため事務所へ帰った3人を、依頼人が待ち構えていた。糸切美影だった。

 

とんでもないトリックが使われていました。ちょっと被害者に同情します。

ドアの鍵を開けるとき

美影は5年前の「密室殺人未遂」の謎について解いてほしいという。事件は大学卒業間近、天川教授のもとで倒理、氷雨、穿地、美影の4人の進路も決まりかけた頃に起きた。穿地は警官、氷雨は内定が決まり、美影は個人の探偵事務所を立ち上げるつもりで倒理を誘い、倒理も了承した。天川が4人に出した卒業試験は、今までの観察と推論の成果として現在警察が捜査中の連続通り魔事件の犯人と背景を調べることだった。被害者は柴犬、雑種、ドーベルマンの3体で期限は1ヶ月。通り魔には法則性があった。3件とも都内で起きており、一週間おきに深夜に犯行を行っている。凶器はボウガンを改造して強力にしたもので動きを止め、ハンマーなどで暴行を加えて殺すといったものだった。最初の2件は雑種で3件目は飼い犬が被害に遭っていた。

ブッチは人見知りで、知らない人間が庭に入ってくると誰かれ構わず吠えたのだと飼い主の杉好は言った。事件の日は吠える前にボウガンを撃たれたのだろうという。ブッチはボウガンで撃たれた後犬小屋から連れ出され近所の公園で殺されていた。もし犯人が見つかったら殺してやりたいと杉好は愛犬の死を非常に悲しんでいた。杉好の家で話を聞いている最中、美影が飾ってある年代物のギターに気が付く。ギブソン社の名作モデルで2千万はするらしい。庭を見せてもらった4人は、杉好からブッチが吠えなかったという人物を教えてもらった。

4人が集まる所といえば大抵が倒理の家だった。安アパートの1階、1フロア5部屋ある中のど真ん中の部屋だった。窓にカーテンはなく、絶対無くさないといって部屋の真ん中の電灯の紐にフックをつけて鍵をひっかけているせいで、何度か鍋の中に落ちたこともある。4人はブッチに刺さっていたボウガンの位置からブッチが吠えなかった相手・杉好の顔見知りの犯行だと考えた。一人ずつアリバイを調べていった結果、3件ともにアリバイがないのは杉好の友人で輸入業を営んでいる杵柄実だけだった。一週間で犯人が見つかった。だが犯行の動機は分からない。直接本人に聞こうと向かうと、杵柄は引っ越しの準備の最中だった。アメリカに拠点を移す予定だという。犯人だと匂わされても証拠がないと動揺しなかった杵柄だが、杉好の家からギブソンのギターを盗むために番犬のブッチが邪魔だったのではないかという推理を美影にぶつけられ、本性を垣間見せる。杵柄が通り魔だと確信したが4人にできるのはそこまでだった。犯人が野放しになることに倒理は不満をあらわにした。

卒業試験は無事クリアした。4人で食事をしている最中倒理が杉好に犯人を教えてはどうかと言い出す。杉好は犯人を殺したいほど憎んでいる。氷雨たち3人の反対により、倒理の提案は即座に却下された。翌日、氷雨たち3人に倒理から5時半に絶対にうちに来いと言う呼び出しがあった。先に到着した氷雨が待っていると、5時半ぴったりに穿地と美影がアパートの前にやってきた。だがチャイムを押しても反応がなく、ドアノブも回らない。人を呼びつけておいて寝ているらしい倒理を窓を叩いて起こすため、3人は裏庭へと回ることにした。カーテンのない窓からは倒理がうつ伏せで寝ている姿が見えた。だが様子がおかしい。倒理の周囲には赤い染みが広がっていた。美影が窓を割ってロックを外し、穿地がわき目も降らず倒理の元へと駆け寄りうずくまった。倒理を呼ぶ叫び声が氷雨の耳にも届く。倒理の細いうめき声が聞こえた。穿地に救急車と叫ばれるまでもなく、氷雨は携帯電話で119番していた。美影は倒理の元へは行かず、ローテーブルへと向かった。テーブルの上には細く湯気の立つマグカップが一つ、水面から細い紐が飛び出ていた。その紐を持ち上げると、コーヒーの中からフックとともに倒理の部屋の鍵が現れた。頭上では途中でぷっつりときれた電灯の紐があった。救急車の要請を終えた氷雨は、直ぐに来るから喉を抑えて止血をと穿地に言い部屋に入った。美影と穿地は、倒理が倒れている場所のすぐそばのふすまに、赤い血で「ミカゲ」と書かれている文字を凝視していた。やがて美影は「困るよ、倒理」と呟くと開けっぱなしの窓から出ていった。それっきり美影は姿を消した。

一命を取り留めた倒理は、目を覚ました後は穿地にどんなに追及されようとも犯人については何も語らなかった。ミカゲという文字も好きなやつの名前を書いたとごまかす。事件を大事にしたくないと倒理は被害届も出さず、実家にも連絡しなかった。倒理の退院の日、美影もいなくなったので実家の愛媛に帰るかという倒理に対し、氷雨は一緒に探偵をやろうともちかけた。事務所名を倒理が付けることを条件に、2人は組むことになった。

5年ぶりに4人が顔を合わせ当時の事件について一つ一つ検証していく。そして事件にまつわる謎は全て解かれた。

 

犯人は誰なのか、なぜ倒理を襲ったのかという2つの謎に加え、倒理が残した「ミカゲ」というメッセージの解読という複数の謎を解く回でした。この事件をきっかけに美影はなろうとしていた探偵とは真反対の犯罪プランナーの道を進むことになりました。

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前作からチラ見せをして結構引っ張った割には、あっけない幕切れという印象を受けました。期待値高めすぎましたかね。倒理、氷雨、美影の事件における対応はあまり理解できませんでした。