作家アリスシリーズ、火村英生と有栖川有栖川の関係はどういったもの?

「国名シリーズ」など人気のタイトルを持ち、1992年の初登場から途切れることなく続いている「火村英生(作家アリス)シリーズ」。

探偵役とワトソン役の二人は、一体どういう関係なのか。気になるので整理してみました。

火村英生、有栖川有栖のプロフィール

まずは二人の簡単なプロフィールから。

火村英生(ひむらひでお)

34歳。京都にある母校の英都大学社会学部で犯罪社会学の准教授をしている。

「フィールドワーク」と称して実際の事件現場に赴き、警察の捜査に協力する形で事件を解決する探偵役で、大学時代からの親友・有栖川有栖からその姿を「臨床犯罪学者」と呼ばれている。研究対象とするほとんどが殺人事件であり、その理由は「人を殺したいと思ったことがある」ためだと明らかにされている。

大学時代から住み続けている下宿屋のたった一人の店子で、大家の女性(「婆ちゃん」呼び)とは非常に良好な関係を築いている。無類の猫好き。

京都在住だが、子どもの頃からあちこちに住んでいたため標準語を話す。女性嫌いを公言している。

 

有栖川有栖(ありすがわありす)

34歳。大阪在住の推理作家。作家デビューする前は印刷会社に勤務するかたわら投稿を続けていた。火村と同じ英都大学出身。有栖川有栖という名前は、本名である。

火村の助手として一緒に事件現場に訪れるが、実際の事件を小説にすることはない。火村の言葉「人を殺したいと思ったことがある」や、悪夢にうなされて飛び起きる様子を目撃しているため親友のことを非常に心配し放っておけないが、その原因などについては問いただせないまま現在に至っている。

大阪出身のため日ごろから関西弁を話す。

作者のもう一つのシリーズ「学生アリス」を、推理作家のこちらの有栖川有栖が執筆しているという設定である。

 

このシリーズの最大の謎は、火村英生の過去だと思います。アリスが火村を心配する場面や「人を殺したいー」というエピソードはたびたび作品内に登場するのですが、肝心の部分が全くと言っていいほど明かされていないのです。火村の女性嫌いもこの辺りに原因があるのでしょうか?

一番のミステリーが謎を解く火村自身、というのが続きが気になって仕方ない要素の一つなのです。早く真相を知りたいような、知ったらシリーズが終わってしまいそうな…という複雑な心理状態です。

新刊の「インド倶楽部の謎」事件を通して火村の内部に何か変化が起きた様子ですので、次の話が待ち遠しいです。

作品の中での二人の役割

探偵役の火村と助手役のアリスですが、アリスは直接事件を解決する手伝いをするわけではありません。

事件の謎について火村に対してあれこれ「的外れ」な推理を披露し、それを否定されることで、結果的に火村の思考を助け事件解決に貢献しているようです。本人にとっては不本意かもしれませんが、推理の助けになっているので火村からは信頼されています。

このあたりの会話のやり取りが、読んでいる側からすれば楽しいのです。ストーリー上仕方のないことだと思いますが、京都と大阪に離れて暮らしている割にはしょっちゅう事件で一緒になったり長電話をするシーンを読むので、仲良しに映るのです。

火村英生、有栖川有栖の関係は?

出会いは大学時代、講義中にアリスが書いていた推理小説を隣に座っていた火村が無断で読み始めたことがきっかけです。以降、14年来に及ぶ友人関係が続き、お互いがお互いを親友と認めています。

小説の語り口がアリスの一人称なので、アリスが火村を親友だと思っていることは直接分かります。火村の方も、アリスに対してはぞんざいな口調だったり、からかったりと素の部分を出しているようにも見受けられるシーンが多いです。

お互い独身だから続いている関係なのかもしれませんね。

この穏やかな、というかゆるやかな親友関係がいつまでも続いてほしいと思っているのは、きっと私だけではないと思います。