七尾与史「ドS刑事」シリーズ第6弾『井の中の蛙大海を知らず殺人事件』あらすじとネタバレ感想

七尾与史さんの「井の中の蛙大海を知らず殺人事件」のあらすじと感想をまとめました。シリーズ6作目だと知らずに読み始めてしまったので、登場人物の関係図を把握するのが大変でしたが、コメディー寄りのシリーズという理解でいいのでしょうか。

七尾さんの作品は2冊目ですが、破天荒な女性キャラが傍若無人にふるまうのがお得意な気がします。

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「ドS刑事 井の中の蛙大海を知らず殺人事件」書籍概要

「ドSすぎる」女刑事・黒井マヤに一服盛られ、“ハネムーンの下見”のために豪華客船の船上に“拉致”された代官山脩介巡査。しかしその船には「マモー」と名乗る人物による時限爆弾が仕掛けられていた。さらに乗船していた大物女優の死体が発見され―。果たしてマヤは時間内に事件を解決できるのか。そして、駆け付けた爆発物処理班・春日太陽との、恋の三角関係の行方は?人気シリーズ第6弾! 「BOOK」データベースより

  • ドS刑事 井の中の蛙大海を知らず殺人事件(2019年3月/幻冬舎)

あらすじ

警察庁NO2の娘でSキャラの黒井マヤに一服盛られた部下の代官山が目を覚ますと、なぜか豪華客船「リヴァイアサン」の中だった。船にはマヤの両親もおり、マヤに心酔しているキャリアでハイパーポジティブな年下上司の浜田とともに会食を行う。どうやらマヤは代官山を婿候補として両親に引き合わせたらしい。今回が処女航海のリヴァイアサンには名立たるセレブたちが乗船しており、女優の江陣原さとみや大企業グループの創設者の妻、その孫のマキなど錚々たる顔ぶれが揃っていた。車いすに乗った祖母を世話するマキと知り合いになった代官山は、認知症が入っているという加代から加山雄三に間違えられたり、マキを孫と認識しない加代と同じやり取りを繰り返したり、若い頃の自身がニューヨークで撮影した写真を孫のマキだと言うのを訂正したりと、それなりに船旅を楽しもうとしていた。

一方、都内のビルに爆弾が仕掛けられたという情報が入った。犯人はマモーと名乗る人物で、何とか解除して安心したのもつかの間、ビルの爆弾は予告で本命はリヴァイアサンにあるという。マモーは船に積まれているある名画を要求してきた。公安から連絡を受けたマヤの父が船長の協力を得て陣頭指揮を執ることになり、爆発物処理のスペシャリスト達がこっそり乗船してくる。爆発物は複雑な構造となっており、処理に当たったうちの一人・春日は間違いなくマモーの仕掛けたものだという。

ロイヤルデッキの女子トイレ内で、江陣原さとみが殺されているのが見つかった。何者かによって首を折られていた。マヤ、代官山、浜田は遺体を霊安室に安置し犯人を見つけるために防犯カメラをチェックしようとしたが、防犯システムのプログラムにバグが見つかってメンテナンス中だったため確認することはできなかった。

さとみのマネージャー・山本に知らせにいったところ、さとみがマモーについて熱心に調べていたことが分かった。彼女はマモーがリヴァイアサンに乗船する可能性があることを知り、客として乗り込み会おうとしていたことが分かる。山本は秘密裡にさとみと恋人同士だったようで悲嘆に暮れていた。

爆弾の解除にはパスコードが必要だった。刻一刻とリミットが迫るなか、爆発物の情報がネットに流れているらしく乗客らの間でざわめきが起こりつつあった。順次避難を開始したが、その判断が遅れたため無事に船から離れられるのは3割程度とのことだった。マヤ達はやたらと猫にこだわるマモーの本当の狙いが、リヴァイアサンで運ばれている名画を手に入れることではなく、名画自体をこの世から消し去ってしまうことだと考えた。

避難が始まる中、車いすの加代が一人でいるのを見つけた。マキがどこにもいないというので、代官山達も探しはじめる。その過程で加代を名乗る正体不明の老婆が医務室にあらわれたこと、代官山達と会話をしていたマキが偽物であったことを知る。マキの正体はテロリストのマモーだった。

パスコードも分からず手詰まり感が周囲を支配したころ、老婆がひょっこりと姿を現すとファンレターだと言って封筒を爆発物処理の面々に渡していく。中身は「吾輩は猫である」の一節が書かれた紙片だった。老婆と入れ違いにマヤ達がやってくると、すぐそこで老婆が滅多刺しに殺されていると言う。亡くなる間際ファンレターという言葉を残していた。猫好きのマモーが設定したパスコードが、ファンレターだという「吾輩は猫である」の文章だと賭け、ブラインドタッチが得意な浜田が打ち込み、無事爆発は回避された。

老婆を殺したのはさとみのマネージャーの山本だった。山本は老婆の正体がマモーだと知り、復讐を果たしたらしい。マネージャーになる前の山本は、海外でマモーが起こした爆発テロによって妻を亡くしていた。

加代と一緒にいたマキは10代に見えた。彼女がマモーだとすると、山本に殺された老婆はいったい誰なのか。いち早く真相に辿り着いたマヤは、灯台下暗しというヒントを残した。

 

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今回はシリーズ6作目ということで、1~5を読んでいないせいかどの辺りが面白いのかよく分かりませんでした。キャラ萌え系のミステリーでしょうか?

マモーはある特殊体質の持ち主で、それが事件にも関わってきていましたが、コメディーっぽい雰囲気で事件解決まで話が進むのですべてが嘘くさく感じてもったいない気がします。シリアス向けの設定だったのではないかと思います。

あとマヤが作中で浜田にする仕打ち(中身が何か不明な薬(毒物?)を頸動脈に注射するなど)や、警察組織のNo.2である父親が乗客3,000人の命がかかっている緊迫した状況で私情を挟みまくりな部分が全く受け付けられませんでした。いくらドSキャラとはいえ、善悪の区別は付けた方がいいと思います。

余談ですが「マモー」といえばルパンしか思い浮かばない世代なので、頭の中のマモーのビジュアルはルパンのマモーでした。