太田紫織『櫻子さんの足下には死体が埋まっている4 蝶は十一月に消えた』あらすじとネタバレ感想

太田紫織さんの「櫻子さんの足下には死体が埋まっている 4」のあらすじと感想をまとめました。

骨にまつわるミステリーは面白いですが、巻を重ねるごとに謎が増えていく感じですね。

「櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶は十一月に消えた」書籍概要

北海道・旭川の冬は長い。僕、正太郎と、骨を偏愛するお嬢様・櫻子さんは、雪が降る前に森でフィールドワークをすることに。成り行きで、担任の残念イケメン・磯崎先生も一緒に、森へ入った僕たち。そこに、先生のかつての教え子が行方不明だという報せが届く。しかも彼女の親友も、数年前に失踪していて…(「蝶は十一月に消えた」)。そこに骨がある限り、謎を解かずにいられない、博識ヒロイン櫻子さんの大人気ミステリ!「BOOK」データベースより

  • 櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶は十一月に消えた(2014年2月/角川文庫)

猫は何と言った?

櫻子に誘われリンゴ狩りに行った正太郎、同級生の百合子からの電話で急遽彼女の叔母・椿の家に行くことになった。椿の飼い猫が殺されゴミステーションに捨てられているのが見つかったらしい。一人暮らしをしている椿は3匹の猫を飼っていて、殺された猫のツンは元ノラでよく外に出たがっていた。連絡を受けて病院を抜け出してきたという獣医の助手で椿の恋人・須藤も駆けつけ、犯人は椿の元彼のストーカーではないかと話がある中、櫻子はツンの体は歯型と爪痕があるのに気付く。どうやらツンは動物に襲われたらしい。

元彼は犯行を否認した。椿に付きまとっていたのは彼女の家を盗撮していた怪しい男がいたことを知らせたかったからだと言い、椿の家の窓に向かってカメラを構える見知らぬ男の写真を提供する。

櫻子と正太郎はツンの遺骸を借り受け、櫻子の第二の師匠が務めているという旭山動物編へと向かった。飼育員の沢と櫻子は、ツンの体に残されている歯式と爪痕からアライグマに襲われたものと断定した。野生のアライグマが猫を襲うことは自然界では稀であり、歯型の特徴から人間に飼われているアライグマではないかと見当をつける。つまり悪意を持った人間がアライグマにツンを襲わせたのだ。

交番へと行った正太郎は櫻子に促され携帯の写真を内海と同僚に見せたところ、DV男として有名な人物だから気を付けた方がいいと注意を受ける。椿にツンを襲ったのはアライグマだと伝えると、ペットショップ勤務だった元彼が以前アライグマに噛まれたことがあるのを思い出した。

家でアライグマを飼っている人間が犯人と正太郎が考えるものの、櫻子によると現在は法律が制定されペットショップから新規にアライグマを飼うことはできなくなっているという。そんなアライグマを個人的に手に入れることができる人物……犯人のところへ行くと櫻子は言った。

 

犯人はDV男でした。お腹を空かせたアライグマの檻にツンを放り込んだのは邪魔だったからという身勝手極まりない人間でした。

私がお嫁に行く前に

椿のお気に入りだという店でパンケーキを食べながら、正太郎は百合子から櫻子の話を聞いていた。百合子は櫻子にお祖父ちゃんの絵に遺されたお祖母ちゃんの秘密を解いてもらったのだという。

百合子が12歳の時、お祖母ちゃんから「結婚する時、お祖父ちゃんの絵の中からプレゼントしたいものが1枚ある」と言われた。だが答えを聞く前に祖母は亡くなった。百合子はそれがどの絵だったのかを櫻子に見つけてほしいと頼んだ。

櫻子が候補にと絞ったのは3枚の絵。2頭の馬が毛繕いし合っているもの、百合の花、摩周湖。3枚それぞれに選んだ理由をつけて解説していく櫻子だったが、最終的に1枚に絞るのはできないという。百合子から聞いた祖母との誕生日プレゼントのエピソードを例にとり、どうしても今知りたいというならどんな絵にでもそれなりの理由をつけることができるが、正しい答えを出せるのは祖母以外もう一人だけいるという。百合子は櫻子の言葉に納得し、櫻子はお礼にと梅の木の絵を貰った。

 

時がくれば百合子自身が祖母の選んだ1枚を見つけられるだろう、という話でした。梅の絵を選んだのは、ばあやさんの名前が「梅」だからでした。

蝶は十一月に消えた

櫻子、正太郎とともにフィールドワークを行っていた磯崎先生に電話がかかってきた。元教え子・一重の母からで、一重が家を出ていったきり戻ってこないというものだった。高校時代、一重には二葉と三奈美という親友がいたが、ある日ぷっつりと二葉がいなくなって以降一重と三奈美の間にも溝ができ、そのまま卒業していったという。磯崎はこのことを気に病み、ずっと彼女らの連絡先を消せないままでいた。

磯崎に付き添って一重の家へと赴いた櫻子たちは、一重が自らの意思で充電ができない場所へと行ったことを知る。三奈美を探し出して話を聞くものの一重の居場所は知らないと突っぱねられる。事前に元クラスメイト達から得ていた情報によると、三奈美の恋人を一重が奪ったらしい。だが幼い頃から一重と付き合ってきた三奈美は、そのくらい今更だという。

家庭内の不和でファミレスとネットカフェを転々としているという三奈美を九条家に連れ帰り、ばあやの作る美味しいごはんとぐっすり眠れる部屋で一晩過ごすと、三奈美は憑き物が落ちたように一重の居場所を教えると言った。

高校時代、3人が一緒に過ごして秘密の場所だった。どうやら立ち入り禁止の私有地らしく、ここで三奈美は花房という画家と出会い、モデルになり、そのことを知った一重もモデルをするうち花房の関心が三奈美から一重へと移っていった。元陶芸家が住んでいたという家屋で一重は眠っていた。

死体を見つけるのが得意なヘクターが、ある木のそばに駆け寄った。青ざめる二葉の前で木の根元を掘り返した正太郎たちは、白骨を発見した。一重が原因で自殺した二葉を三奈美が埋めた、と三奈美が告白した。だが骨の状態から櫻子は、二葉は自殺ではなく殺されたのだと断言する。また二葉以外にもう一体骨が見つかり、どちらからも蝶形骨が消えていた。

櫻子には何か確信があるらしく、見知らぬ骨も蝶形骨が無くなっているのも、花房と名乗る画家の仕業だと言い切った。だが画家の行方は分からずじまいだった。

 

一重と二葉は磯崎が付き添って警察へと行きました。過去、蝶形骨がなくなっている身元不明の遺体を櫻子の叔父が解剖したことがあり、非常に優れた人間の手によるものだったことを聞かされていた櫻子は、花房と結び付けて考えたようです。

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櫻子さんの前に立ちはだかる本編最大の敵が登場した感じでしょうか。