有栖川有栖の小説、どれから読めばいいのか迷っている人へおすすめの順番

2019年に作家の有栖川有栖さんがデビュー30周年を迎えられました。

春には新刊が発売され、30周年にタイミングを合わせたかのように今秋、3年半ぶりに有栖川さんが原作の日本テレビ系ドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」のセカンドシーズンがHuluで復活のニュースが発表されたりと、ファンにとっては嬉しい出来事が多いです。

1989年の作家デビューから今日まで、どのような作品が発表されてきたのか、初めて有栖川さんの作品に触れる人にも分かりやすいようまとめてみました。

有栖川有栖の小説、全部で何冊でている?

一つの作品が新書版・文庫版など複数回発行されていますが、それらを除けば、3つのシリーズものと単発の小説を合わせて、全部で47冊の本が出ています。

「火村英生(作家アリス)シリーズ」25冊

「江神二郎(学生アリス)シリーズ」5冊

「空閑純(ソラシリーズ)」3冊

その他 14冊 という内訳です。

たくさんあって迷いますね。特に火村英生シリーズと江神二郎シリーズは、推理作家と大学生という違いはありますがどちらも主人公が著者名と同じ「有栖川有栖」なので、慣れないうちは混乱しがちです。

数多くある有栖川有栖さんの小説を、個人的主観でどれから読んでいけばいいのかご紹介したいと思います。

 

おすすめの順番は一番人気の「火村英生(作家アリス)シリーズ」から読む

英都大学の准教授で臨床犯罪学者の火村英生(ひむらひでお)を探偵役、大学時代からの親友で推理作家の有栖川有栖を助手兼語り手としたシリーズは、「火村シリーズ」「作家アリスシリーズ」などと呼ばれ、有栖川さんの代表作ともいわれるシリーズです。2016年に「臨床犯罪学者 火村英生の推理(主演:斎藤工、窪田正孝)」というタイトルでテレビドラマ化しました。

2019年現在で25冊出ているので、とても読み応えがあります。発行順に上から読んでいくのも良いですが、登場人物のプロフィールはサザエさん方式で基本的に変わらないので、どれから読んでいっても大丈夫です。

 

  1. 46番目の密室
  2. ダリの繭
  3. ロシア紅茶の謎(国名シリーズ)
  4. 海のある奈良に死す
  5. スウェーデン館の謎(国名シリーズ2)
  6. ブラジル蝶の謎(国名シリーズ3)
  7. 英国庭園の謎(国名シリーズ4)
  8. 朱色の研究
  9. ペルシャ猫の謎(国名シリーズ5)
  10. 暗い宿
  11. 絶叫城殺人事件
  12. マレー鉄道の謎(国名シリーズ6)
  13. スイス時計の謎(国名シリーズ7)
  14. 白い兎が逃げる
  15. モロッコ水晶の謎(国名シリーズ8)
  16. 乱鴉の島
  17. 妃は船を沈める
  18. 火村英生に捧げる犯罪
  19. 長い廊下がある家
  20. 高原のフーダニット
  21. 菩提樹荘の殺人
  22. 怪しい店
  23. 鍵の掛かった男
  24. 狩人の悪夢
  25. インド倶楽部の謎(国名シリーズ9)

 

火村シリーズの中でも、小説のタイトルに国名が入っている通称「国名シリーズ」をまず先に制覇していくのが王道パターンかなと思います。私も最初は国名シリーズから読み始めました。

一番最初の「46番目の密室」が長編モノなので、まずは短編から…という場合も、やっぱり国名シリーズ第1弾の「ロシア紅茶の謎」が短編集なので、とっつきやすくておすすめです。

謎解きもさることながら、有栖と火村の軽妙な掛け合いが楽しいのもこのシリーズの人気の一つだと思います。遠すぎず、近すぎずのちょうど良い距離感を保った二人の関係性が読んでいて心地良いので、読み終わった後にすぐ次の新刊を待ち望んでしまいます。

 

有栖川有栖のデビュー作「江神二郎(学生アリス)シリーズ」から読むのもおすすめ

英都大学推理小説研究会(EMC)の部員たちが旅先で自然災害などによって孤立し、そこで事件が起きるという、いわゆる「クローズドサークル」ものです。

EMCの部長・江神二郎(えがみじろう)が探偵役、事件の語り手役が有栖川有栖なので、こちらを「江神シリーズ」もしくは「学生アリスシリーズ」と呼んで、火村シリーズとの区別をつけています。ちなみに江神シリーズと火村シリーズは同じ時間軸ではなく、まったくのパラレルワールドという設定です。

 

  1. 月光ゲーム Yの悲劇’88
  2. 孤島パズル
  3. 双頭の悪魔
  4. 女王国の城
  5. 江神二郎の洞察

 

「月光ゲーム」が作者のデビュー作なので、そこから順番に読むのがおすすめですが、基本的に長編ばかりです。短編は、5冊目の「江神二郎の洞察」だけです。

孤立した山や島や村といういわば巨大な密室が舞台なので、その舞台設定を理解するのに頭を使うのと、江神と有栖が先輩後輩という関係上、阿吽の呼吸の相棒というのが火村シリーズより薄れる印象があります。

その分、謎解きにフォーカスされているので、密室モノが好きな人にはおすすめのシリーズです。論理的に謎が解かれていくのが、読んでいてすごく気持ちいいです。

 

まるごと有栖川有栖を網羅したくなったらこちらもおすすめ

人気の2シリーズ以外がこちらです。火村シリーズと江神シリーズの人気が断トツなので影に隠れがちですが、面白い作品が揃ってます。

 

空閑純シリーズ(ソラシリーズ)

  1. 闇の喇叭(らっぱ)
  2. 真夜中の探偵
  3. 論理爆弾

日本が南北に分断され、探偵行為が一切禁止された世界で、17歳のヒロイン・空閑純(そらしずじゅん)が殺人事件の解決に挑むシリーズです。

 

その他単発の小説

  1. マジックミラー
  2. 山伏地蔵坊の放浪
  3. 幻想運河
  4. ジュリエットの悲鳴
  5. 幽霊刑事
  6. 作家小説
  7. まほろ市の殺人 冬―蜃気楼に手を振る:架空の都市・真幌市を舞台とした競作で、春、夏、秋はそれぞれ別の作家の作品
  8. 虹果て村の秘密
  9. 動物園の暗号
  10. 壁抜け男の謎
  11. 赤い月、廃駅の上に
  12. 幻坂
  13. 濱地健三郎の霊なる事件簿
  14. こうして誰もいなくなった

 

現在出ている本は以上です。多いですね。書籍への未収録作品も含めるともっと増えますので、30年もの間作品を書き続けるという凄さに、ただただ尊敬するばかりです。

でもファン心理としては、いつでも新作を読みたい気持ちがいっぱいなので、これからも元気で書き続けて下さいと言ってしまいます。