こうやって読めば面白い、ミステリー小説の楽しみ方。あなたはどのタイプ?

ミステリー小説って難しそうって思っていませんか?

確かに複雑なトリックや入り組んだ人間関係で頭が混乱するものも中にはあります。けれど、もっと気楽に、テレビを見るような感覚でエンターテイメントの一つとして楽しめばいいのです。

こうやって読めば面白い、ミステリー小説の楽しみ方をまとめてみました。

1.パズル好き向き?これであなたも名探偵「推理をする」

いきなりですが、これはちょっと……いえ、かなり上級者向けかもしれません。

探偵役が事件を解決する前に、実際に読んでいる私たちが謎を解いて犯人を当ててしまおうというものです。もちろんあてずっぽうはダメです。きちんと「論理的に」犯人を絞ることが求められます。

ミステリー小説の中には、事件編と解決編の間に「読者への挑戦状」を著者が挟んでいる本があります。そういった本は、事件編の中に犯人を指摘できるだけの状況説明やヒントが過不足なく提示されています。今まで読んできて手に入れた情報を元に、犯人や犯人の使ったトリックなどを解明するのが「推理」です。答え合わせは解決編で探偵役がやってくれます。

コツは一つ一つの事象を、パズルのピースをはめていくように埋めていって事件の絵を描いていくことだと思いますが、過去何十年とミステリー小説を読んできて、今まで一度も勘以外で犯人を当てたことがありません。難しいです。

2.ワクワク?ゾクゾク?この中に犯人が?「特殊な設定を楽しむ」

ミステリーの醍醐味の一つは、特殊設定下で事件が起こるということです。短編、長編問わず、不可能犯罪と言われる密室トリック(密室の中に被害者だけがいる。犯人はどうやってこの密室を作り出したのか)、自然災害や犯人の手によって孤立した島や町といった外部から遮断された場所で事件が起こるクローズドサークルなど、数多くあります。

漫画「金田一少年の事件簿」などでもよく見ますが、閉じ込められた空間の中に犯人が一緒にいる場合が多いので、一人ずつ候補が絞られていくのも面白いです。

「この人不自然な動きをしている」「このセリフは少しおかしい気がする」など予想を立てつつ読んでいくのが楽しいです。

3.不可解なことばかり「謎を楽しむ」

謎と言っても様々ありますが、よくある例としては、被害者が不可解な状況で発見されているというものがあります。絶対に行かないような場所で見つかったり、目撃者がいる時間にはすでになくなっているのが判明したり、体の一部がなくなっていたり分解されていたり、犯人と目されている人物には鉄壁のアリバイがあったり……そこに犯人の仕掛けたトリックや犯行の動機があるわけです。

このトリックが解かれるのを楽しむ、というのが王道の楽しみ方の一つだと思います。たまにヘンテコなトリックにぶつかる時もありますけどね、それはそれで…。

4.名探偵は変わり者が多い?「キャラ萌え」する

シリーズものにもなると、探偵役、助手役のキャラも立っています。頭脳明晰という共通点があるのもの、たいていの探偵は癖のある性格や言動が目立ちますし、それがまた人気に一役買っています。

また探偵だけというより、助手とコンビで動くことが多いので、この2人の関係性が好きというミステリーファンも大勢いるかと思います。

風変わりを通り越してエキセントリックな名探偵は、島田荘司さんの「御手洗清シリーズ」、麻耶雄高さんの「メルカトル鮎シリーズ」です。どちらも個性が強すぎて面白いです。

5.なるほど、そういうことか!見事な伏線の回収で「謎解きの過程を楽しむ」

ミステリーものには、よく「伏線の回収」が出ていきます。事件編の中にさりげなくちりばめられている「ちょっとした事象(伏線)」などが、解決編で犯人を論理的に追い詰めていく材料となって活きてくることをいいます(回収)。

読み進めるうちに「あれ?」と引っかかる文章が出てきたら要注意です。頭の片隅にとどめておいて、解決編で見事そのことが引っ張り出されてきたら、「伏線が分かった(当たった)」と一人で優越感に浸ることができます。

謎を解くのは難しいですが、伏線に気づくのはミステリー物を読み慣れていたら分かるようになってくるので、ちょっとした楽しみです(もちろん伏線だと気づかないことも多いです)。

たとえ伏線に気づかなくても、作者が事件編の中に仕込んでいた伏線が綺麗に回収される流れを読むのは、詰まりの原因になっていた栓がポンと抜かれるかのように気持ちがいいです。

6.犯人は別にいる?「どんでん返しを楽しむ」

犯人が捕まって一件落着というのはごく一般的ですが、油断はできません。実は真犯人は別にいたというシチュエーションも多くあるからです。このように真犯人が別にいたり、事件が後半で急展開で二転三転することを「どんでん返し」と言います。

どんでん返しは、何といっても意外性を楽しむことに尽きます。一度は探偵すら騙す犯人の手腕も素晴らしいです。

私が良く読む本では、綾辻行人さん、中山七里さんなどが「どんでん返し」で有名です。特に中山七里さんはどんでん返しを得意としていて、「どんでん返しの帝王」とも呼ばれています。

7.騙された!「作者の仕掛けた罠に引っかかる」

真犯人も捕まり本当に事件は解決した。という場合も、もう一段階ひねりが加えられていることがあります。

「作者自身が読者を騙す」仕掛けを文体に仕込んでいる場合です。小説においては、挿し絵(登場人物のイラスト)などがない限り、私たち読者は、読みながら頭の中で勝手にイメージを作り出しています。そのイメージを180°回転させるような一言(一文)を小説のラストにもってくる手法がよく使われます。

時間や場所に関する思い込みだったり、登場人物像に対する思い込みだったりと、一冊丸々読んできて私たちが作り出してきたイメージ像を、最後の最後にどかんと一気に壊しにくるのです。

作家さんの力量によりますが、上手な方には本当にびっくりするくらい気持ちよく騙されます(それが心地いいのです)。

純粋な謎解きではなく、読者の思い込みや誤認を利用した小説ならではの手法で「叙述トリック(じょじゅつトリック)」とも呼ばれています。

ただ「叙述トリック」は一冊につき一度しか効力がありません。その本を読み返す時にはすでにネタバレ状態で読むわけですから、「あっ」というような目からウロコが落ちるような驚きはないです。

私が見事に騙された叙述トリック本は、殊能将之さんの「ハサミ男」です。ああ、びっくりした。

まとめ

ミステリー小説の楽しみ方を七段階に分けましたが、あなたはどのタイプに当てはまりますか?

私は1の「推理をする」以外全部です。推理なんてできなくてもミステリーは楽しめます。

頭を使うのは作家さん、読者である私たちは気持ちよくミステリーの世界で騙されていればいいのでは?と思います。